江別産煉瓦の歩みとこれから③ ~現在・未来~

2022.1.20(thu)

北海道第1号の煉瓦工場となる「茂辺地煉瓦石製造所」が建設されてから、令和4年現在で150年が経ちます。その長い歴史の中で時代に応じて煉瓦に求められる内容は変化し、それに応えるべく煉瓦は進化を遂げてきました。1997年に流行語大賞の一つにも選ばれたガーデニングブームの到来もあり民間住宅の外構、お庭づくりにも煉瓦が多く使用される様になり、そこで多種多様な煉瓦の商品開発が行われました。人気のイングリッシュガーデンの雰囲気に合う煉瓦として、出来上がった煉瓦をダーメージ加工しアンティークな表情にした「BCレンガ」やBCレンガを基本のサイズから1/4のサイズまでサイズのバリエーションを増やした「BCレンガ220」、10cm角サイズの「ピンコロレンガ」、赤・還元色のベースカラー以外のカラーバリエーションの「中性」等、ガーデン及び建築外構にも煉瓦によるデザインの可能性がどんどん広がりました。

 

 

また、北海道庁赤れんが庁舎前に位置した旧札幌三井ビルと日本郵政グループ札幌ビルの敷地を一体化した都市計画の中に都市計画広場「北三条広場(通称アカプラ)」が整備される事となり、敷設材と花壇に江別産煉瓦が採用されました。1888年に建築された国指定重要文化財である北海道庁赤れんが庁舎の前に、2014年に完成されたオフィス・商業からなる新たな複合施設ビル「赤レンガテラス」と、樹齢100年を超える29本の銀杏並木の中に江別産煉瓦が敷設されている光景は歴史の重みと共にいつの時代にも煉瓦は普遍的に使用出来る商材なのだと感じます。また、再開発が進み建て替えられたJR苗穂駅及び周辺整備や電線を地下埋設にし、歩道整備した函館駅前通りにも江別産煉瓦が使用され、これからの都市開発にも煉瓦が使用される可能性は高まっています。

 

 

全国的にみると煉瓦の需要は軒並みに減少し日本国内での製造地域は、北海道、広島県、愛知県の三地域となっています。その中で北海道江別市は生産量一番となり、日本一の生産量を誇る地域となりました。時代と共に民間住宅のデザインや都市計画の方向性など変わって行く中で、今までがそうであった様に煉瓦は良い意味での変わらぬ普遍性と新たな進化性でいつの時代にも使用される商材としての可能性がまだまだあります。これからは北海道江別産煉瓦の全国的普及も一つの目標とし、KUOGSの主要商品として更なる商品開発、販売を進めて行きたいと思っています。

 

 

 

3回にわたり江別産煉瓦の歩みとこれからについてご紹介しました。
次回からはまた新たなテーマで情報発信いたします。
お楽しみに!!

 

 

 

写真1
 ー 4種類のサイズをランダムに敷設したBCレンガ220 ー
写真2
ー さまざまなイベントも行われる憩いのスペース北三条広場 ー